気が遠くなってゆく中で・・・。
転倒してから一時間くらいが経っただろうか・・・?
何とか起き上がって、スクーターを起こし、エンジンをキックで始動・・・。
何とかエンジンはかかった・・・。
しかし、ハンドルは、曲がり、マフラーがはずれたのかもの凄い爆音が・・・。
そしていつもの光景だった、東灘区の岡本まで何とかたどりつき・・・。
いつものシーンがまるでゴジラが暴れたかの様な光景に唖然としたのでした。
そして、その大切な人が住んでいたマンションまでたどりついたが・・・。
マンションは大きく傾き・・・。
外から何度も呼びかけるが反応なし・・・。
「もしかして・・・。」
色んなことが走馬灯の様に頭をよぎったのでした。
近所に非難したのかも・・・。と思い、近くの商業高校へ・・・。
体育館にはたくさんの被災者のひとたちが・・・。
ひとりづつ、顔を見ながら探したけど、やっぱりいない・・・。
既に夜の11時・・・。
今度は走って岡本の街を探しました。
山手幹線から甲南大学の裏まで・・・・。
スクーターで転倒した際の手のひらの血が止まらず、タオルを巻いて・・・。
いつもの住宅街がこんなにも変貌して・・・。
すると、いきなり地面のアスファルトが割れておりまたしても転倒・・・。
周りは真っ暗で懐中電灯だけでは一寸先は闇・・・。
「もうダメなのか・・・。」
「いや、大丈夫・・・・。」
そんな自分とのやりとりが何度も続いたのでした・・・。
つづく・・・。